関西(京都・大阪・滋賀 等)を中心に自然素材を使用した高断熱・高気密の省エネルギー住宅を設計しています

充填断熱の内部結露

充填断熱は内部結露を起こしやすいと言われ、コストの高い断熱材に切り替えられた方もおられるかと思います。

新住協ではこの問題に関しての原因を突き止め、適正な施工法とディティールをマニュアル化し、内部結露を起こさない高断熱高気密住宅を確立してきました。

新住協の平成18年度松本大会においては、既存住宅(築11年)における壁体内断熱材の検証が会員の協力を得て実施されました。この現場検証に私(宮井)も立ち合い、実際の状況を確認して参りました。下記に示すのが技術情報第36号(2007年4月1日)に記載されたレポートです。(左より1,2,3,4,5)

レポート1
現場検証した建物の概要です。

・レポート2
建物の外壁面2ヵ所を切り取り取ったところです。縦桟は通気胴縁、白色はタイベックです。
タイベックの奥に16kのグラスウールがきれいな発色のまま現れてきました。とても10年を経過したとは思えない状態でした。

・レポート3
グラスウールの状態は非常に良好で、内部の防湿層にも問題は見られませんでした。
ただ、コンセント廻りのグラスウールに少し汚れが付着しています。コンセントから出るVEコードに隙間があったことを示していますが、問題になる程のことではありません。

・レポート4
グラスウールを外した土台面は結露も見られず、乾燥した状態でした。ただ、写真8,9のグラスウールの底部に汚れが見え、わずかながら空気が流入したと判断できます。この程度の状態では性能を大きく劣化させるほどのことではないと判断されます。

・レポート5
グラスウールは経年変化で、ズリ落ちてきて上部に空洞ができると言われています。これは密度の低い10kのグラスウールで、16k100mmのグラスウールは、写真10のように10年を経過してもしっかりとした形態を維持しています。

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