● 次世代省エネ基準における仕様
次世代省エネルギー基準には地域区分があります。関西はW地域に属しています。
 
熱損失係数   Q値 2.7以下 (W/m2・K)
相当隙間面積 C値 5.0以下 (cm2/m2)
 
熱損失係数Q値とは:
住宅の外部と内部で温度差が1℃あったとき、1時間当たり住宅全体から逃げ出す熱量を床面積で割った値です。
 
相当隙間面積C値とは:
住宅の外周部全体にある隙間の総面積を床面積で割った値です。
 
W地域のグラスウールによる仕様
 
屋根 <熱抵抗値4.6(m2K/W)> 
    高性能グラスウール16k 180mm
 (天井断熱の場合は <熱抵抗値4.0(m2K/W)>)
    高性能グラスウール16k 155mm
壁   <熱抵抗値2.2(m2K/W)>
    高性能グラスウール16k 100mm
床   <熱抵抗値2.2(m2K/W)>
    グラスウール32K 80mm
● 高気密高断熱住宅について
 高断熱住宅の基準(次世代省エネ基準)というのは、実は平成9年の京都議定書によって平成11年に告示された基準です。しかし、欧米では高断熱に関して、義務化のスタンスを取っているのに対して、日本では推奨という表現にとどめられました。その結果、一般にはあまり周知されることなく、断熱に対して、あまり関心が高まっていないというのが現状です。
 
 しかし、住宅の質を上げようとするならば高断熱はかかせません。高断熱高気密住宅にすれば、床と天井との温度差が小さくなり、快適な住環境になります。一方で、高気密化すると息苦しくなり、夏期には蒸し暑く住みにくくなるという誤解があるようです。高気密というのは壁や天井、屋根部分から無駄な気流が逃げ出さないように、また、結露が起こらないようにするための処置ですので、今まで建っている住宅と外見上はなんら変わりません。
 
 ただ、高断熱仕様にした分、夏の日射取得に対しては慎重に取り扱わなければなりません。夏の日差しが直接、窓を通して室内に侵入する場合、オーバーヒートすることがあります。だからといって、単純に窓を小さくするというのは考えものです。窓を小さくすれば、逆に冬の大切な熱源をみすみす拒絶してしまうことになるからです。冬の日射取得を最大にしながら、夏の日射取得を極力抑える設計が要求されるわけです。断熱サッシの性能は、壁の断熱性能に較べ1/7程しかありませんので、単純に窓の大小だけの調整では済まなくなります。外部周りの中で一番断熱性能の低い開口部の取り扱いをどのようにコントロールするかがポイントになってきます。コントロールするための一つの方法としてQ値(右ページ)計算をして、断熱の性能を的確に把握するというのが確実な方法です。
 
 最近の書籍やコマーシャルを見ていますと、外断熱が一番いいというような風潮になっているようです。外断熱や充填断熱にも一長一短があります。限られた予算の中で、住環境に対して最大限に効果を発揮できる断熱を選択すればいいわけです。外断熱や充填断熱の施工に関して高い技術が要求されるのはまちがいありません。住宅の性能が高くなる分施工精度もより高く要求され、それに応えることのできる工務店に依頼しなければなりません。
 私どもの事務所では新住協(新木造住宅技術研究協議会)の会員として、室蘭工業大学の鎌田教授によって開発された、ボード気密工法によって計画を進めています。自然現象が悲鳴をあげ始めた現在、住む人にとっても、地球環境にとっても好ましい高断熱高気密工法の住宅を推し進めています。


 現在、高気密高断熱住宅を京都府南丹市で建設中です。
 
 
 
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